企業による種子の支配が進むことに対して、消費者はどのような対策をとればよいのでしょうか。

企業というのは、国(政府)と根本的に異なるところがあります。それは、富の再分配機能がないということです。企業は慈善団体ではないのです。

健全な国(政府)ならば、お金がたくさんある人から税金を多くとって、お金があまりない人に分配する機能があります。企業にはその役目はありません。株式会社の最大の目的は、利益の最大化であり、株式会社は誰のものかというと株主のものなのです。出資者である株主に配当を出すことが目的なのです。

税金で作られた道路や港湾などの社会基盤を使っているのだから、もっと社会全体のことを考えて欲しいと訴えたところでまったく効果がありません。

モンサント社(ドイツのバイエル社、スイスのシンジェンタ社、アメリカのダウケミカル社なども)を最大手に世界中で種子を支配する競争が起きています。各国の種苗会社を次々に買収しています。グローバル資本主義の世界では、当然の結果です。恐ろしいのは、それらの企業が、ひとつの国を超えるパワーを備えつつあるということです。

F1からはじまり、遺伝子組み換え種子まで、その大部分のシェアをわずか数社の企業が握ったらどうなるか?それらの企業が種子の値上げをすれば、それに従うしかないのです。農薬とのセット販売を義務化すれば従うしかないのです。

自分が食べる食べ物の中身を知って選ぶというのは、消費者の当然の権利です。

では、どうすればよいのでしょうか? まずは事実を知り、声をあげるしかないのかなと思います。

日本は遺伝子組み換え食品大国ですが、表示義務があいまいなため、どのように不買運動をしてよいのかわからなりません。地元の議員を通じて、政府に働きかけてもらうのが正攻法だと思います。

家庭菜園や大規模農園でも使われるラウンドアップ。この製品には「生分解性で、環境に優しい」が記載されていましが、過大広告ということで、ニューヨークとフランスで有罪判決を受けています。アメリカ国民の90%以上が、遺伝子組み換え作物の表示を求めており、複数の州で表示義務を求めた大きな運動が起きています。

もう一方の現実があります。あまりにも高い日本の食品廃棄率とあまりにも低い食料自給率です。急ぎすぎた社会。効率を優先し過ぎた社会。それらの代償が、現在の日本の農や食の現状にもつながっているのかなと思えます。

確かにモンサント社の商売の仕方はあまりにも商倫理から逸脱しています。そのモンサント社を生み出した背景は何なのか?そのことを一度、考えてみることも、また大切なように思います。

(終わり)

8月 22, 2014 4:53:22AM