高級ブランドの子ども服にも毒性化学物質が残留していたことが、今年1月の国際環境保護団体の調査報告で明らかになりました。
Burberry (バーバリー)
Disney (ディズニー)
Uniqlo (ユニクロ)
Adidas (アディダス)
American Apparel (アメリカンアパレル)
C&A (シー&エー)
GAP (ギャップ)
H&M (エイチ&エム)
Li-Ning (李寧)
Nike (ナイキ)
Primark (プリマーク)
Puma (プーマ)
検出された量や成分は異なっていますが、上記の12のメーカーすべてで有害化学物質が検出されたということです。
大人向けの服だけでなく子ども服の製造工程でも有害化学物質が使用されて、残留しているのが実態のようです。
例を挙げてみると、アディダスの水着には、同社が定めた使用限度量以上のペルフルオロオクタン酸が残留していました。
またすべてのブランドからノニルフェノールエトキシレートが検出されています。
ディズニー、アメリカンアパレル、バーバリーの店頭商品の抜き打ちサンプルからは、高い濃度のノニルフェノールエトキシレートが検出されたと調査報告は指摘しています。
ペルフルオロオクタン酸とノニルフェノールエトキシレートは、発がん性や、発達障害、人間のホルモン作用に影響をあたえる内分泌かく乱物質(環境ホルモン)が含まれています。
ポリエステル、ポルエステルとコットン混紡の服10枚のサンプルでは、9枚からアンチモンを検出し、2枚にはチタン酸エステルが多く含まれていることが判明しました。
アンチモン化合物には皮膚への刺激性があり、脱毛や鱗片状(りんぺんじょう)皮膚になるといった中毒症状を引き起こす恐れがあります。鱗片状とは、うろこ様の状態のことです。
チタン酸エステルは、人体の生殖機能に悪影響を及ぼす物質です。
これらは、自然界で生分解されにくい化学物質です。いったん工場から排出されてしまうと、長期間にわたって環境中に残留してしまいます。
生分解とは、すごくおおざっぱに説明すれば、ある物質が、土壌の中や水辺に住む微生物が自然界の微生物によって食べられることを繰り返すことで、高分子化合物(分子量が一万以上ある巨大分子)である有害化学物質を分子レベルで細かく小さくし続けていき、無害化に近くすることです。
上の表を見ていると、廉価版のブランドだけではなく、高級ブランドも含まれています。どうやら値段の高い子ども服を買えば安全というわけではないようです。
なぜ、このようなことになったのでしょうか? どのような衣服の種類のものに含まれているのでしょうか? もう少し調査報告を読み込んでみます。
(続く)